胸の痛み、胸を押すと痛い
胸が痛いと一言で言っても、乳房の痛み(乳房痛)なのか、内臓(心臓や肺)に原因があって痛いのか、筋肉痛や肋間神経痛なのか、判断は難しいと思いますが、クリニックを受診される方の最も多い訴えの1つです。
乳房痛は乳癌の初発症状としてはまれで、その原因の多くは良性疾患です。特に月経開始前1週間程度は乳房痛がでやすく、張っている感じやしこりがある感じを伴うこともあります。痛みが一時的なものであったり、月経開始後に改善するようであれば、まず心配ないですが、痛みが続くようならご相談ください。
閉経後の方でも胸が痛い、張るといった症状がでることもあります。同様に、一時的なものであればまず心配ないですが、しこり感がある、今までにないひきつれがある、などの症状も伴う場合には早めにご相談ください。
痛みに加えて、皮膚が赤くなっていたり、熱感がある場合、赤くなっている箇所を押すと特に痛いなどの症状も伴う場合には、乳腺膿瘍などの感染症が疑われます。抗生物質や切開排膿などの処置が必要になる場合もありますので、受診をおすすめします。
授乳中の方で、痛みに加えて皮膚の赤みや熱がある(39℃などの高熱のこともあります)場合には乳腺炎が疑われます。この場合も抗生物質や切開排膿などの処置が必要になることもあります。
胸の痛みに関するQ&A
どれぐらい痛ければ受診するほうがいいのかわかりません。
痛みの感じ方と表し方にはかなり個人差があるため、どのぐらいの痛みと表現することは難しいですが、心配でしたら遠慮なく受診してください。
月経前に痛くなることはありましたが、月経中、月経後にも痛みが続きます。これは異常でしょうか?
乳房の生理的な痛みはいつも同じとは限りません。月経前でも痛くないこともあれば、いつもより痛みの期間が長かったり、月経後の方が痛かったり様々です。痛みが一時的であればまず心配ないですが、気になるようでしたらご相談ください。