線維腺腫は、最も頻度が高い良性（癌ではない）のしこりで、15歳～35歳の女性に最も多いです。

多くは2~３㎝までの大きさで、半分以上は歳をとると自然に小さくなっていきますが、ごく一部は大きくなっていくものもあります。

線維腺腫ができる原因はよくわかっていませんが、妊娠をきっかけに大きくなったり、経口避妊薬や他のホルモンの刺激を受けて大きくなる傾向があります。

コロコロとしたしこりを触れ、痛みはないことが多いです。

多くは2~3㎝までの大きさですが、線維腺腫のごく一部（0.5～2%）には10㎝を超える巨大線維腺腫と呼ばれるものがあります。

痛みはないことが多いですが、急速に大きくなるので、基本的には手術でとります。

細胞の検査（細い針を刺して、細胞をとって顕微鏡の検査にまわします）をして線維腺腫と診断がつけば、経過観察します（3か月～半年に1回超音波検査でサイズチェックをします）。

経過観察中に大きくなってきた場合には、葉状腫瘍（線維腺腫と非常に似ていますが、悪性の場合があります）や乳癌ではないことを確認するために組織の検査（細胞を取るときよりも太い針で組織をとって、顕微鏡の検査にまわします）を行います。

ただし、線維腺腫と葉状腫瘍の区別はとても難しいので、大きくなってくる場合には手術でとることが望ましいです。